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太陽光お役立ちコラム

太陽光発電の仕組みとは?構成や発電・蓄電など基礎知識

福山市内の一般家庭の屋根にも「太陽光パネル(モジュール)」を設置しているお宅を見かけることが多くなってきています。福山は特に日の光を遮るものもなく1年を通して日射量も多いので「太陽光発電」を設置するにはぴったりな土地柄と言えます。

しかし実際「太陽光発電」についてザックリと理解しているものの、詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか?

大半の人は、太陽の光がよく当たる場所にソーラーパネルを設置し、日が当たっているうちは、自然と家庭で使える電力が生み出されるといった考えかと思います。

ここではそんな「太陽光発電」の基礎についてご説明いたします。

■太陽光発電とは?
まず「太陽光発電」とは、屋根などに取り付けた「太陽電池モジュール」によって太陽の光エネルギーを集め<発電>し、「接続箱」によって発電された電気を収集します。次に「パワーコンディショナ」で家庭でも使える「交流」電力に変換し、「分電盤」によって家の中に電気を送ったり、余った電力を各電力会社へ売電したりといった一連の流れを言います。

▶︎①太陽光パネル(モジュール)で発電
▶︎②接続箱に「直流」電力が集まり、パワーコンディショナで「交流」電力に変換
▶︎③分電盤から家庭内の各電化製品へ配電もしくは家庭用蓄電池に充電
▶︎④余った電力は売電

最終的に「買電メーター・売電メーター」で電力を「どれだけ電気を使ったのか? 余った電気を売ったのか?」などを計測、管理します。

■太陽光発電はどのくらい普及したのか?
「太陽光発電」が発売された当初は、一般家庭で手を出せなかったほどとても高値でしたが、どんどんコストが下がりここ10年で導入実績は約8倍にまで普及しました。

また、2009年以降は政府による再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT法)がはじまったことにより、各家庭からの売電価格が一定の価格で10年間は変わらず買い取ってくれるシステムが構築しました。

■太陽電池が発電する仕組みとは?
まず基本となる「太陽光発電」の仕組みについて、太陽から降り注ぐ「光エネルギー」が“n型”と“p型”の半導体を重ね合わせた「太陽電池」(ソーラーパネルやモジュール)に当たることで電気が生まれる、「光起電力効果」「光電効果」と呼ばれている現象が起こります。

「太陽電池」が「光エネルギー」を電気へと変換することを「変換効率」(もしくは発電効率)といい、「変換効率」は数値が高ければ高いほど、たくさんの電気を生むことができます。

また「変換効率」は「太陽電池」の素材(シリコン系・化合物系・有機系など)によって効果も異なってきますが、現在では、結晶シリコン系が世界生産量の約9割を占めています。

ちなみに「太陽電池」は名前に「電池」とついているものの、電力を蓄えておくものではなく、太陽の「光エネルギー」を直接電力に変える「発電機」の役割を果たしています。

■ソーラーパネル(太陽電池パネル)とは?
一つ一つの小さな太陽電池を複数集め、枠や構造体に入れてパネル状にしたものをソーラーパネルを呼びます。ソーラーパネルは一番小さい単位を「セル」といい、そのセルを板状につなげると「モジュール(ソーラーパネル)」になり、最大の単位が「アレイ(ソーラーパネル)」になります。

「セル」1枚では太陽光を集めるのに出力が足りませんので、屋根などに設置する場合「モジュール」単位で設置します。また「モジュール」を設置する箇所が多ければ多いほど、たくさんの電力を生み出すことが可能です。

日本では、1年間に出力が1kWの太陽光パネルで、1,000kwhを発電できると言われています。一般世帯の平均電力消費量はひと月平均300kWh程度、年間およそ3,600kWhになる計算です。自分の家で使用する電気の消費量を把握し、設置する「モジュール」の規模(枚数)を検討すると無駄がありません。

また企業などでは、効率よく電力を生み出すために、空いている広い土地に多くの「ソーラーパネル」を設置し、たくさんの電力を生み出す「メガソーラー」と呼ばれている太陽光発電施設を保有しているところも多くなってきています。

■電気を集めて整える
「太陽電池」で発電した電気は、一度「接続箱」と呼ばれる機器に集約されます。「接続箱」は、「太陽電池モジュール(パネル)」からの配線をまとめ、パワーコンディショナに送る機器です。なぜ「太陽電池」で発電した電気をそのまま家庭内で使用できないかというと、「直流」電力の状態だからです。この「直流」電力は、導線を流れる時に、向きや大きさが変わらず一直線に流れるのが特徴です。

一般家庭で使われている電化製品を使う時の電気の流れは「交流」電力となるので、太陽電池で発電した「直流」電力のままでは使用できません。「交流」電力とは、導線の中を行ったり来たり、向きを交互に変えながら流れるのが特徴です。

なぜ家庭用の電化製品が「交流」なのかというと、電化製品を使うとき、コンセントのプラグをどっち向きに差し込んでも使えるようにするためです。

「パワーコンディショナ」は、この「直流」電力を「交流」電力に変換してくれる役割を担っています。

「パワーコンディショナ」は、その名の通り力を調節してくれる機器で、分電盤を通して住宅内に延期を分配してくれます。室内設置タイプと室外設置タイプがあり、どちらにも利点があり、室内タイプなら、一定のスペースが必要となり、室外タイプは雨などに濡れない場所に設置しなければならないなど、家庭の状況によってどちらにするか検討するといいでしょう。

また「接続箱」と「パワーコンディショナ」が一体化した製品も販売されているほか、開閉器や電気の逆流防止機能がついた製品などもあり、避雷機能などの役割もはたしてくれます。

■電気を使う・売電する・蓄える

▶︎電気を使う
「パワーコンディショナ」を使って、「直流」から「交流」へと変換された電気は、家庭のコンセントまで電気を届ける役割を担っているのが「分電盤」となります。「分電盤」から各電化製品へ適切に電気を送るのはもちろん、余った電気を自動的に電力会社へと売電もしてくれます。また曇りや雨の日、深夜など太陽の光がない日や時間に足りない電力量のみを電力会社から購入することもこの「分電盤」を使うと可能になります。

▶︎電気を売電する
日中、発電量が自宅で使う量を上回ったことで生まれる余剰分の電気を各電力会社へ売る仕組みを「売電」といいます。「分電盤」を設置していることで、電気を電力会社へ売るまで

各電力会社は、太陽光発電システムで発電した10kW未満の電力は、家庭で使う分を引いた余剰電力を買い取ってくれます。例えば、天候が悪かったり、発電量が足りなかったりする日などは、逆に電力会社から電力を買うことになります。10年間は固定の価格で買取が行われますので、自家消費分をなるべく抑え、多くの電力を売電することで、ちょっとした収益を得ることもできます。

▶︎電気を蓄える
日中に発電した電力を夜使うためには、電気を溜めておく「蓄電システム」(蓄電池)が必要になります。発電できない夜間や停電などで電気が購入できない時などにも「蓄電システム」があれば電力を使用することができます。「蓄電システム」のポイントは、「容量」と「出力」です。

●容量とは「電気を蓄えられる容量」
容量は、電気をどのくらい貯められるかを示し、単位は「kWh(キロワットアワー)」で表示されます。容量が大きい「蓄電システム」(蓄電池)ほど、より多くの電力を溜めておくことが可能です。

例えば、消費電力が1kWhの家電を「蓄電システム」(蓄電池)内の電気で動かす場合、

・容量3kWh=3時間使用が可能
・容量10kWh=10時間使用が可能

と「容量」は大きいほど、家電をより長時間動かすことができます。

●出力とは「一度に使用できる家電の量」
また出力は「一度に使用できる家電の量」のことで、「蓄電システム」(蓄電池)が一度に動かすことのできる、家電の数を表します。出力単位は、有効電力kW(キロワット)や皮相電力kVA(キロボルトアンペア)などが使われます。

例えば、有効電力2kWと有効電力3kWの蓄電池がある場合、もちろん3kWの方がより多くの家電を同時に使用することができます。

「太陽光発電」は、火力発電や原子力発電のように燃料を必要とせず、また排気ガスやCO2、燃えかすや使用ずみ燃料の処理も必要としないのでとってもECOと言えます。

ただ太陽が当たってない夜間や日照不足の時は、発電することができないなど毎日一定量の電力をまかなう「安定面」に弱い部分もあります。しかしクリーンエネルギーを使いたい!、天災時の電力確保に、投資用になど、導入例が右肩上がりに増えてきているので、今後より身近な存在となっていくことでしょう。

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