太陽光発電の撤去費用について
太陽光発電を設置していても、経年劣化など様々な事情から撤去は必要になることがあります。
設置費用が高額なのは知っていても撤去の手順や費用、そして処分時の注意点などについてはなかなか知られていません。
今回は撤去に関して、撤去のタイミングでないと分からない「撤去方法」や「太陽光発電の撤去費用」についてご紹介します。
■はじめに
まずは太陽光発電の処分方法について解説します。
太陽光発電本体の撤去には決められた方法できちんと処分しなければなりません。
太陽光パネルに使用されている素材には、鉛・カドミウム・セレンといった物資には人体に影響を及ぼす恐れのある有害物質が含まれているため、産業廃棄物としてしっかりとした処分が必要となります。
もしも、決められた方法で処分を行わなければ、法律違反になり罰金や懲役刑が科せられる場合も。
■有害物質について
太陽光パネルに含まれる鉛・カドミウム・セレンについて少し解説していきます。
鉛…脳や神経など、身体の様々な箇所に影響を与えます。血中濃度が高い状態が続くと、脳症が起こるため、取り扱いには注意が必要です。
カドミウム…日本4台公害として有名なイタイイタイ病の原因となった物質です。海外製の太陽光パネルだけでなく、日本製の太陽光パネルにも含まれていることがあるので、こちらも取り扱いには注意が必要です。
セレン…水や土壌、特定の食品に含まれている必須微量ミネラルです。過剰で接種してしまうと脱毛・爪の変形・嘔吐・神経過敏といった症状が出る恐れがあるため、要注意です。
■太陽光発電全体の撤去手順
太陽光発電全体を撤去する際の具体的な手順は以下の通りです。
- 専門業者へ撤去の依頼をする
- 撤去用の見積もりを業者へ依頼する(最低でも2~3社での相見積もりが理想)
- 太陽光発電本体の解体と撤去をする
- 解体したパーツの分別と処分をする
■太陽光発電の撤去費用
太陽光発電の撤去には、撤去費用・廃棄費用など、項目ごとに費用が必要になります。
以下、費用詳細をご紹介します。
【住宅用の屋根上設置の撤去費用】
住宅用太陽光発電を撤去する際、今後もその家に住み続けるかどうかで費用が異なってきます。それには、その家に住み続けるのであれば屋根を修理し、住み続けられる状態にしなければなりません。
その他、屋根の形状や設置枚数、解体業者によっても費用は異なります。
住宅用太陽光発電の撤去にかかる費用の詳細は以下の通りです。
費 用 |
内 訳 |
作業費(取り外し費用) | 相場 10万円~15万円 |
足場代 | 相場1日あたり 700円~1,000円/1㎡ |
屋根修理代 | 瓦ぶき屋根の相場 100万円前後
部分修理の相場 10万円~30万円 |
処分代 | 解体業者や設置されているパネルの枚数によって異なる |
運搬代 | 現場から処分場までの距離によって異なる |
こちらの表はあくまで相場として掲載しています。
設置個所や枚数、修理の有無によっても費用は相場から前後する可能性もあります。
また、依頼する業者によっても費用は異なるため、目安として考えるようにしてください。
■産業用(50kW以上)の場合
50kW以上ある産業用太陽光発電本体を撤去する場合、住宅用同様に使用している太陽光パネルの枚数によってかかる費用は異なります。
ですが、産業用の撤去は2万円程度(1kWあたり)の別途費用が必要です。
例えば…50kWの太陽光パネル撤去の場合、100万円程度の費用がかかると言われています。
また、産業用でも住宅同様に高所に設置していた場合は、足場代や修理代も発生します。
■相見積もりをする
太陽光発電を撤去することが決まったら、1社の業者だけではなく最低でも2~3社の見積もりを取るようにしましょう。業者によって費用に大きな差が出ることもあるので相見積もりをとり、撤去にかかる適正価格を知っておくと安心です。
■撤去作業は専門業者へ
高額な費用がかかるからと専門業者に依頼せず、自分で撤去作業を行うことはとても危険な行為です。しっかりとした知識を持った専門業者へ依頼しましょう。その理由をお伝えします。
【専門業者をすすめる理由】
- 電気遮断といった接続を切る作業がある(感電の危険がある)
- 高所作業となり転落の危険がある(屋根に設置されている場合)
- 太陽光パネルの放置にはショートの危険がある
- 撤去の途中でガラスが割れる危険がある
- パネル自体が重く運ぶことに危険がある
専門スキルや危険の伴う作業が必要になる撤去作業。撤去費用はかかりますが、安心・安全に変わるものはないので、専門業者に撤去してもらいましょう。
■撤去を依頼するには
専門業者へ依頼するといっても、太陽光発電を設置を行う施工業者が撤去から処分までの全ての工程を請け負ってくれるケースは極めて稀です。
多くのケースで太陽光パネルの回収・撤去は施工業者が行い、その後の太陽光発電の廃棄・処分は家屋解体などを請け負っている業者に委託しているケースがほとんどです。
■撤去費用の準備
太陽光発電は設置に費用がかかりますが、撤去の際にも高額な費用が必要となります。
撤去をすることが決まっても急に高額な費用を準備するのはなかなか難しく、撤去に踏み切れない場合も。
住宅用太陽光発電の撤去は、撤去・廃棄・屋根の修理(必要な場合)の高額な費用がかかります。
その支払いに困らないためにも費用分の計画的な積み立てがおすすめです。
その他、産業用の太陽光発電の撤去については、撤去費用の積み立てが義務付けられています。
■太陽光発電全体の撤去方法
太陽光発電全体を撤去するには太陽光パネル以外の設備もきちんとした方法で処分する必要があります。以下、種類別で撤去方法をご紹介します。
1- 支柱・架台
支柱や架台といったパーツの主な材質はスチールで、架台レールというパーツはアルミでできていることからリサイクル資源になります。場合によって、処分業者が解体業者から買取ることも。
2- パワーコンディショナ
太陽光発電になくてならいないパワーコンディショナは粗大ごみに分類されます。
その他、電子機器・モニター・メーターなどは粗大ごみの処理場への持ち込みで処分することが可能です。
但し、自治体ごとでパーツ・機材の種類によって処分できる内容や処分費用が無料・有料と異なるため、処分する前にお住まいの自治体の情報を確認しましょう。
3- ケーブル
ケーブルについては業者が買い取ってくれる可能性もあります。
解体業者へ撤去費用の値引き交渉を行う際に、ケーブル類の買い取りについて質問してみましょう。場合によっては、一部のケーブル芯に銅が使用されていることから、銅の買い取りを目的としている処分業者もいるようです。
解体を依頼する際はその解体業者がケーブル類を買い取って、収入を得ているのか確認してみるのもいいですね。
■まとめ
今回は「撤去方法」や「太陽光発電の撤去費用」をご紹介しました。
太陽光発電には取り扱いに注意が必要な有害物資が含まれており、それらを適切な方法で処分を行う義務があります。
何の専門知識のないまま、自分で撤去してしまうのは様々なリスクがありとても危険です。高額な費用が必要となってしまいますが、太陽光発電の撤去をお考えの方は専門業者へ依頼し、適切な方法で撤去してもらうと安心できます。
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