太陽光発電を蓄電池と一緒に導入するメリットについて
最近では電力の自由化・家庭用太陽光発電の普及に伴い、電気やシステムについて考える機会が増えたという方は多いのではないかと思います。
そういったことも関係して企業だけではなく、太陽光発電システムを導入している一般家庭をよく見かけます。
その中で蓄電池の技術が進んだことをきっかけに家庭でも太陽光発電システムと蓄電池を一緒に導入することが可能となった一方で、蓄電池の使用方法や導入のメリットが不明確分なため、蓄電池導入に踏み込めないといった方も。
今回は、蓄電池を導入するのかご検討の方へ、太陽光発電システムと一緒に導入するメリットについてご紹介します。
■蓄電池とは?
メリットをお伝えする前に蓄電池について簡単に解説します。
蓄電池といえば、太陽光発電でよく耳にしますが、日常生活の中でも蓄電池は使用されています。
例)ソーラー電卓・太陽光発電で使うことのできるライト(懐中電灯)など
■蓄電池は二次電池
蓄電池は繰り返し充電ができる「二次電池」のことを指します。
多くの方の身近な存在である、スマートフォンなどで使用する【充電式モバイルバッテリー】が挙げられます。
蓄電池は繰り返し充電することで使用可能ですが、使用期間には限りがあり、半永久的に使い続けられる訳ではありません。
繰り返していくことで、蓄電量の減少がおき、性能も低下してしまいます。
性能が低下し、寿命を迎えた蓄電池は交換が必要となりますが、その期間や目安は各メーカーで異なります。
■家庭用蓄電池と産業用蓄電池
蓄電池には主に家庭用と産業用の2種類があります。
1-家庭用蓄電池
多くのメーカーで販売されていますが、どのメーカーも一般的なモバイルバッテリーのように蓄電池のみの販売はなく、他機器と接続された状態で販売されています。(制御システムや太陽光発電システムなどの機器との連携も含まれます)
家庭用蓄電池設置の場合も設置知識を持った専門の人が設置工事を行う必要があります。
2-産業用蓄電池
家庭用蓄電池よりも蓄電容量が多いことからオフィスや工場などの大規模施設で設置されています。
その他、産業用蓄電池は非常時でも設備を長期間稼働させなければならないといった事情に対応するため、複数の蓄電池を組み合わせることで蓄電容量自体を大きくすることも。
更にBCP計画の一環として、産業用蓄電池の導入は企業にとって重要な役割を担っています。
BCP計画…有事に事業を継続・被害を最小限に抑えるための準備や計画を定めたことをいいます
■家庭用蓄電池のメリット
ここからは家庭用蓄電池を一緒に導入するメリット4項目をご紹介していきます。
1-災害時の非常用電源になる
日常的に使える電気は災害時には使えなくなってしまい、生活に困ってしまいますが、蓄電池を導入することで災害時に役立ちます。
もちろん、太陽光発電システムのみの導入であっても災害時の非常用電源として使用することが可能ですが、太陽光発電のみでは太陽光が当たらない日の発電はできません。
そのため、災害時に雨や曇りなどの天候が続いた場合は、発電量が大きく左右されることも。その面では、蓄電池は天候に左右されないため、発電量がゼロの日でも蓄電池から安心して電気を使用できます。
2-蓄電した電気をバランスよく使用できる
非常時以外でも家庭用蓄電池にはメリットがあり、太陽光発電システムと一緒に導入することで買電量を抑えながらバランスよく電気を使えるといった節電効果も。
― 例えば ―
昼間…太陽光発電システムで発電した電気を使用ながら蓄電池へ電気を溜める
夜間…昼間に溜めた蓄電池の電気を使用して買電量を下げる
3-ピークカットが可能
ピークカットとは24時間の内、最も電気使用量が多い時間の使用量を削減・節電することをいいます。
家庭用蓄電池導入により、最も多い時間帯の電気使用量が抑えられるため、電気使用量についてのストレスが軽減され、大きなメリットに繋がります。
4-FIT制度終了後は自家消費へ
FIT制度とは再生可能エネルギーの固定価格買取制度のことを意味しています。(*FIT…Feed in Tariffの略)
家庭用蓄電池の導入は自家消費型太陽光発電システムを設置する上ではとても重要な要素になります。
このFIT制度がもしも終了してしまい、売電単価が下がる・売電自体が禁止などになった場合、太陽光発電システム単体のメリットが減ることも。
ですが、家庭用蓄電池を一緒に導入することで、FIT制度終了後の使用方法を自家消費型に切り替え、電気使用量の節電も可能です。
現状で住宅用太陽光発電システムを単体で導入・運用するメリットはありますが、今後の費用面などの効率的な運用をお考えの方は、家庭用蓄電池の導入がおすすめです。
■産業用蓄電池のメリット
次に産業用蓄電池を太陽光発電システムと一緒に導入するメリット4項目をご紹介していきます。
1-企業・工場の非常用電源になる
産業用も非常用電源として使用することができます。
産業用となると蓄電容量は大容量ですので、災害時などの非常時にはオフィスや工場といった大規模施設での非常用電源として活躍します。
特にIT企業や安全上生産ラインを急停止することのできない工場・医療設備といった施設では産業用蓄電池は必要不可欠です。
2-電力の自給自足
設備の状況によって異なるものの、産業用蓄電池は蓄電容量が多く、一緒に導入することで電力の自給自足が実現できます。
そのような施設であれば、大規模災害時の避難拠点として運用も可能に。
地域密着型の施設となれば、周りの信頼も得られるため、メリットは多くあるのではないでしょうか。
3-ピークカットが可能(家庭用蓄電池と同様)
産業用蓄電池を使用することにより、24時間の内で最も多い時間帯に必要な電気使用量を蓄電池から使用するができ、節電が可能になります。
4-HEMSなどスマートシティ構築に重要な要素
最近では、某企業が開発に乗り出して有名になったスマートシティですが、その企業以外の自治体などでもスマートシティの構築を計画・実施が進んでいます。そのスマートシティには、HEMSを含む3種類のシステム(HEMS・BEMS・FEMS)を活用しています。
これらには産業用蓄電池を組み合わせた太陽光発電システムは重要になっています。
その理由にはHEMS・BEMS・FEMSは、電気使用量の管理・可視化を行いながらの自動制御や太陽光発電・蓄電池を活かした省エネを目的にしています。
HEMS(Home Energy Management Systemの略)…住宅で使用するエネルギーの節約を管理・可視化するシステム
BEMS(Building Energy Management System の略)…ビルで使用するエネルギーの使用状況の管理・可視化するシステム
FEMS(Factory Energy Management System の略)…工場全体の消費エネルギーの管理・可視化するシステム
■まとめ
蓄電池について、いくつかのメリットをご紹介しました。
多くの場合では、無理に太陽光発電システムと蓄電池を一緒に導入する必要は決してありません。
しかし、導入にあたってメリットをお伝えするのであれば、「導入しない」選択よりも「蓄電池を太陽光発電システムと一緒に導入」することでメリットが多くなるのは事実です。
また、災害に対しての備えも重要となります。
大きな地震・大雨といった災害はいつ起きるか分かりません。
もちろん、企業の場合ではご検討・ご相談をいただいた全ての企業に対してメリットがあるわけではありません。
当然、導入すべき企業とすべきではない企業に別れてしまうのが現状です。
南瓦工房ではクライアント・お客様に対して1件1件最適な電力削減プランをご提案しています。
太陽光発電や蓄電池など、南瓦工房へお気軽にご相談ください。